枚方市の産後ケアサービスを受けて思ったこと

先日、枚方市で生後3ヶ月の娘と産後ケアサービスについて利用させていただいたことを記事にしていました。

hirakata-morino.hatenablog.com

 

前回は施設で過ごした内容を中心のレポートをしていたのですが、産後ケアというものを生まれて初めて利用させてもらって、改めて思った事を記事にしてみたいと思います。

 

 

産後ケアとは?

枚方市での正式名称は「産後ママ安心ケアサービス」というものでした。

産後ケアは生後4ヶ月くらいまでの母子に対して行われるサービスで、産婦人科助産院などに1日〜数日ほど子どもと一緒にステイさせてもらう形式をとっている自治体が多そうです。

枚方市だけではなく、現在は全国の多くの自治体で実施されてはいるようですが、利用できる条件や費用・サービス内容は自治体ごとに微妙に差があるみたいです。

 

枚方市では利用できる対象者はこのようになっていますね。(HPより)

枚方市民で生後4か月未満の赤ちゃんとお母さん。家族等から支援を受けられない方で、育児に不安や疲れを感じている場合に利用できます

他の自治体では(特に政令指定都市など人口が多い自治体ほど?)「利用可否の審査」なるものがある場合もありますが、枚方市ではそういった制限はなく、4ヶ月未満で困っている方であれば誰でも〜という感じです。

それを考えると枚方市の条件はハードルが低くてありがたいですね。

 

産後ケアを知ったきっかけ

産後ケアに関するチラシ等は、母子手帳をもらった時や出生届を出した時・市の助産師訪問を受けた時などに渡されるので、枚方市に関しては妊産婦さんはどこかしらで目にしているものかと思います。存在を「全く知らなかった」という方は少ないと思うんですよね。

それにも関わらず(って別に悪い意味ではないんですけど)私の周囲では利用された経験のある方はほとんどいなかったです。

 

では自分の場合は躊躇せず利用できたのか?というと、産後ケアは気にはなっていたのですが、具体的にどんな感じなのかよくわからず気軽に利用する勇気が出ないというのはちょっとありました。

ただし、SNSを通して知った(他の自治体で産後ケアを利用した)ママの声で「とてもゆっくりできた」「利用して良かった」という意見を多く見かけたので、利用してみようかな?と思って、申し込みに至りました。

 

なぜ産後ケア利用のハードルが高いのか

最新のデータはわかりませんでしたが、枚方市議会議員の方のHPに平成30年の市議会質疑応答について言及されたページがありました。

産後ケアは平成28年度に75人、出生数の2.6%が利用されていたそうで、これが多いか少ないかと言うと、やはりまだ少ないのではないかと思います。平成30年度は「出生数の3%である87人」を見込んでいると、答弁の内容を公開されていました。

 

私が考える「産後ケアを利用する人があまり多くない」理由はこんなところだと思います。(個人の意見です)

必要な荷物を準備して施設に行くのが面倒

私の場合はまずはこれが一番面倒に感じたところでした。

疲れてるからリフレッシュしたい」という気持ちはあっても、大荷物を抱えて行き慣れていない場所に行くことになるのは、逆に疲れるかもなと思いました。

実際どこまでの荷物を持参すべきかは施設ごとに少し差がありますが、混合育児の場合はさらに荷物が多くなります。

子どもや自分の着替え、オムツやおしりふきだけでなく、哺乳瓶・ミルク、洗剤やブラシまで持っていく必要があるので、結構かさばりますね。

 

自分が利用していいのかわからない

これも多い理由だと予想しています。なんとなく利用するのが気が引けるというんでしょうか。

先ほど書いた通り、枚方市の場合は「メンタル面の不調」など一定の条件があるわけではなく審査があるわけでもなく誰でも利用できるのですが「でも、実際は困ってる人向けなんでしょ…」などと感じる人はいると思います。

私も育児に疲れてはいたけど、倒れそうなほど辛いとか、困り果てているというほどではなかったので「どうしてこの人利用するのかな?」と不思議がられるかも、とは思ってました。

 

安いとはいえ料金がかかるから

個人的に一番の問題と思うのはこれですね…

難しいことなのは承知していますが、もっと安い設定だったら利用する!という人多いと思います。極端に言えば無料なら利用したい人が爆増するのは間違いないです。だって、ごはんがついてくるのでそれだけでもお得ですよね。笑

実際のところ、無料にしてたくさんのママから申し込み殺到したら受け入れのキャパもないですし、無料は無理だとは思いますが。

 

枚方市デイケアが2800円、一泊で5600円なので比較的負担してくれているほうかもしれません。物価の違いもあるかもしれませんが、もっと安い自治体もあるので、個人的にはデイケア2000円、一泊3500円くらいまでになったら嬉しい(というか、使う人が増えそうな気が…)

あとは近所に施設があるならいいですが、遠い人は交通費もかかる枚方市は車を持ってないパパママも一定数いる地域?だと思いますし、それだともっと面倒になります。

というわけで、交通費とかも込みで考えると、特別困っていなければ少しだけ高いかなと思います。(サービス提供側からしたらかなり安い料金に設定されているのはわかるのですが、あくまで利用する側の感覚として

 

具体的に何をしてもらえるかよくわからない

サービス提供側としては意外な部分になるかもしれませんが、こういうのもある気がします。

からだ・育児・こころのサポートをしますとは案内HPに書かれているのですが、具体的にどんな感じなのかが少し抽象的でわかりにくいんですよね。

子どもを預かってくれて寝たり休んだりすることができるのか、それとも育児相談やメンタル面の悩みを聞いてくれる時間があるのか、沐浴のやり方や授乳の仕方を一緒にやってみましょうねっていう感じの育児教室的な側面が強いのか。

何ができて、どういう雰囲気なのかもう少し詳細がわかれば「ケアを利用したい」と思う人が増えそうなのになーと思います。

 

実際に利用してみて感じたこと

まず最初に言っておくと、私は間違いなく産後ケアは利用して良かったと思っています。

その上で、私が思ったことです。

手続きが少し面倒だった(手続きしてくれる側も)

やはり利用登録が必要で、用紙への記入やサインなどが必要なので、利用したい!と思った時に気軽にネットから必要情報を入力して申し込む…とかは難しいようです。

紙の手続きはある程度仕方がないと思ってますが、本来であれば保健センターまで直接出向いて登録用紙を書いたりしないといけないみたいなので、小さい子がいるとそれも大変ですよね。

今は、市の助産師さんがわざわざ家まで来てくれて申し込み用紙を持参してくださったので大変助かりました。(コロナ禍だからなのか、通常時でもそうしてくれているのかはわかりません)

でも利用希望者が増えれば訪問も大変だと思うので、できればネットで、それがダメなら郵送で手続きできればいいのになーと思いました。

 

利用施設は選べる?選べない?

市内9か所・市外1か所の施設が利用できる(2022年現在)とHPには記載されていますが、具体的にどのように利用施設が決まるのか、市の窓口に電話してみて初めてわかりました。

「どの施設を利用希望ですか?」と聞かれたので「あ、選べるんだ!」と思ったのですが、実はよく聞いてみたら生後3ヶ月の子が利用できる施設は2施設しかないそうです。(2022年現在)

私は特に利用施設にこだわりはなかったのですが、もし選べるなら出産した病院がいいなと思っていたのですが、私が出産した病院は生後2ヶ月の子までが対象で利用できず、少し残念でした。

「生後3ヶ月ならここかここになるんですよね〜」と教えてもらった2施設の中から、どっちがいいか検討し、近い方の施設を選びました。生後4ヶ月まで利用できるとはいえ、産後ケアの趣旨からしても1・2ヶ月のときに利用するのが一番いいのかな?という感想は持ちました。

HPでは、どの施設がどの月齢を受け入れできるということは書かれていなかったのですが、私が聞いた時は利用可能施設は2箇所しかなかったので、希望施設がある方はなおさら早めに行くほうがいいかなと思います。

 

利用施設によっての違い

これはメリット・デメリット両方あると思うのですが、利用先の施設によっても割と違いがありそうです。

私自身が複数の施設を利用したわけではないのですが、産後ケアを(別の施設で)使った方に感想を聞くと、私の利用した施設とは全く違う感じの印象を受けました。

私が利用したのは個人の病院でしたが、どちらかというと「ゆっくりしたい人向け」かなと思いました。私は別に何か教わりたい派ではなかったので、放っておいてもらって全然よかったのですが「聞きたいことがあったのに…」という人にとっては満足できないかもしれません。

もちろん、質問したら(可能な範囲で)教えてくれそうですが、お産が立て込んでいて助産師さんが忙しそうだったので、申し訳ないし気軽に聞けそうな雰囲気ではなかったです。お産がある以上、仕方ないですよね。

逆にその点、助産院のようなところの方が比較的時間をとってもらいやすいというか、一対一で話をしてくれたりする傾向はあるかもしれないです。前述の知人は助産院でケアを受けたらしいのですが、相談に乗ってもらいやすい雰囲気で色々と質問できたり、教えてもらったと言っていました。

 

ハード面でも結構違いがあるというか、設備が違うと必要な持ち物も少しずつ違います。私のお世話になった施設は哺乳瓶の貸し出しが一部無料でタオルも無料でしたが(助かった!)、そうでない施設もあるそうです。

どちらがいい悪いではないですが、施設を選ぶ時にそういう情報もなんとなく分かれば有難いと思います。利用者さんによってどこが合っているか総合的に判断する材料になるので。

 

「休むため」とは思わないほうがいいかも

私は、産後ケアで助産師さんとお話ししたり、美味しいごはんが食べれたり環境を変えられたことでリフレッシュになりました。

 

が、もし「疲れているところを少しでも休みたい」と思って産後ケアを利用するなら、あまり期待しすぎないほうがいいかもしれません。

私のように1泊とか短い期間ならなおさらですが、行くまでも準備や手続きが大変、それから荷造りやたくさんの荷物を抱えて一人で移動するのが大変、着いてからも慣れない環境で「気楽」とは感じない人もいるかもしれません

うちの子は家ではメリーがお気に入りでよく泣き止んでくれていたのですが(持っていくわけにはいかないので)泣いたらやはり頑張ってあやすしかなく、さらにいつもと場所が違うことで様子も少し違ってました。

また、私は比較的どこでも寝れるタイプなのですが、それでも寝心地や環境がいつもと違って(子どもが一緒に寝ることもあるから仕方ないのですが、産院のベッドは硬いことが多い)実は落ち着かずあまりよく眠れなかったという…。

ちょっと慣れた頃には重い荷物を抱えてまた帰らないと〜となるので、「気分転換」にはなるのは間違いないですが、逆に疲れる場合もあるかも。

楽するためというよりは、私はワンオペであまり外出もできなかったので、ちょっとした気分の入れ替えとして産後ケアを使わせてもらいました。

 

最後に

以前も書いたように、産後ケア自体はとてもいい取り組みだと私は思っていますし、実際に利用させていただいて感謝しています。

ただ、利用率が高くないのかということに関して私も思うところがあったので、ダラダラと勝手な感想を書いてみました。

 

これを見て使ってみようかな!と思う方は、産後ケアのいいところをなるべく享受できるように利用してほしいなと思います。

興味のある方は前回記事もぜひ参考にしていただけると嬉しく思います。

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